うたわれるもの(散りゆく者への子守唄)
2016/11/13 10:30:00
うたわれ1作目をちゃんとストーリー読んでもう一周してみました。
結果重要なことをかなり見落としてるなと思ったので、書き留めておこうかと。3作目の考察に影響するところも少しあるかも。
ハクオロの正体はウィツァルネミテア。大神であり禍日神。
その前身はアイスマン。そしてデコイたちはすべてこのアイスマンを素体に作られた。
そのデコイの中でも特殊な存在が、ムツミとミコト。
ムツミはオンカミヤリューの始祖であり、ミコトはおそらくエルルゥたちの種族の遠い祖先にあたるのだろう。
失われた63号とそれに名前を与えたアイスマン。その関係と、全ての素体という意味で、ウイツァルネミテアを「お父様」と呼んだのだろう。
そしてオンカミヤリュー族がオンカミヤムカイでウイツァルネミテアを封印し続けることの意味が、おそらく過去にアイスマンがウイツァルネミテアとなり暴走した時にその力を封じたのがムツミという存在であったから、なのだろうか。
カミュがウルトリィと違い黒い翼をしていた(始祖様の血を継いだ証)ことは、カミュがいずれウイツァルネミテアという存在に触れ、大封印を行うべくして生まれた存在だったから、というとなんとなく納得がいくような。
カミュと同じように黒い翼をしたオンカミヤリュー族というのは、珍しくも一定の周期で生まれるような言い方をしていたと思う。その一定の周期こそが、ウイツァルネミテアが禍日神として暴走する周期なのかなという。目覚めては眠る大神と禍日神を封じるための、証なのかなと。
ハクオロとディー(?)は表裏一体の存在。ハクオロは大神側で、ディーが禍日神側の存在なのかなあと思う。
3作目の最後で、大封印を行う寸前にカミュが「お父様はここに出てきてはいけない」と言った。そのお父様はウイツァルネミテア、という意味だったのだと思う。1作目の最後でカミュが「お父様」と口走りそうになっていたからやはりそういうことなのだろう。
しかしうたわれるもの、というのは、この作中だけでなく通して何人いるのかなと。すごいいっぱいいそう。
これから2作目をやり直すつもりもいちおうあります。
2作目から新たに考察が出てくることがあるかないかちょっとわかりませんが、何か見落としてることがあったら書こうかなとは思います。
結果重要なことをかなり見落としてるなと思ったので、書き留めておこうかと。3作目の考察に影響するところも少しあるかも。
ハクオロの正体はウィツァルネミテア。大神であり禍日神。
その前身はアイスマン。そしてデコイたちはすべてこのアイスマンを素体に作られた。
そのデコイの中でも特殊な存在が、ムツミとミコト。
ムツミはオンカミヤリューの始祖であり、ミコトはおそらくエルルゥたちの種族の遠い祖先にあたるのだろう。
失われた63号とそれに名前を与えたアイスマン。その関係と、全ての素体という意味で、ウイツァルネミテアを「お父様」と呼んだのだろう。
そしてオンカミヤリュー族がオンカミヤムカイでウイツァルネミテアを封印し続けることの意味が、おそらく過去にアイスマンがウイツァルネミテアとなり暴走した時にその力を封じたのがムツミという存在であったから、なのだろうか。
カミュがウルトリィと違い黒い翼をしていた(始祖様の血を継いだ証)ことは、カミュがいずれウイツァルネミテアという存在に触れ、大封印を行うべくして生まれた存在だったから、というとなんとなく納得がいくような。
カミュと同じように黒い翼をしたオンカミヤリュー族というのは、珍しくも一定の周期で生まれるような言い方をしていたと思う。その一定の周期こそが、ウイツァルネミテアが禍日神として暴走する周期なのかなという。目覚めては眠る大神と禍日神を封じるための、証なのかなと。
ハクオロとディー(?)は表裏一体の存在。ハクオロは大神側で、ディーが禍日神側の存在なのかなあと思う。
3作目の最後で、大封印を行う寸前にカミュが「お父様はここに出てきてはいけない」と言った。そのお父様はウイツァルネミテア、という意味だったのだと思う。1作目の最後でカミュが「お父様」と口走りそうになっていたからやはりそういうことなのだろう。
しかしうたわれるもの、というのは、この作中だけでなく通して何人いるのかなと。すごいいっぱいいそう。
これから2作目をやり直すつもりもいちおうあります。
2作目から新たに考察が出てくることがあるかないかちょっとわかりませんが、何か見落としてることがあったら書こうかなとは思います。
PR
心機一転+ゲーム(うたわれるもの)
2016/10/26 13:00:00
更新してなさすぎてすべて記事を非公開に、新たにまた頑張って更新していく所存です。
まだ学生してます。がんばります。
さて。
心機一転の話はここまでで、そろそろゲームのお話をします。
『うたわれるもの 二人の白皇』
そろそろ発売から1か月だし感想というか、公開してもいいかなと思ったので公開します。
ただただ感想を含め、思ったこと、推察したことを書きなぐっただけなのでとりとめのない文章になっているかと思います。この先は畳むので読みたい方は開いてください。
▼つづきはこちら▼
まだ学生してます。がんばります。
さて。
心機一転の話はここまでで、そろそろゲームのお話をします。
『うたわれるもの 二人の白皇』
そろそろ発売から1か月だし感想というか、公開してもいいかなと思ったので公開します。
ただただ感想を含め、思ったこと、推察したことを書きなぐっただけなのでとりとめのない文章になっているかと思います。この先は畳むので読みたい方は開いてください。
▼つづきはこちら▼
考えたこと。
ネコネの件
兄を亡くしかりそめの兄を持ち上げる。兄を亡くした悲しみは自分にしかわからないから、と思い続ける。
ヴライとの一件の少し前あたりからかりそめの兄を本当の兄のように慕い始める。その瞳にオシュトルは本当の兄のように映り始める。それに伴って自分の中から本当の兄の姿が消えていくことに気付きハクを遠ざけようとする。
ヴライとの一件のあたりで、ハクも、自分とは違うものにせよ苦しみを背負っていることに気づく。ハクが自分を殺して生きていることに。あの日去っていくクオンの背を見送ったとき、マロロの背を同じように見送ったとき、ハクもハクなりに苦しんでいたことを知った。少し大人になったネコネ。偉い。きっと、兄様がいなくても、ネコネとトリコリなら幸せに暮らしていくだろう。
アトゥイの件
アトゥイはもう少し早く正体に気づくかなと思っていた。クオンのこと一瞬で見破ってたから。ナコク遠征のあたりから、なんとなくオシュトルの中に『ハク』が見え隠れし始めて、お酒を酌み交わしたところあたりがなんとなく重なる部分があったんだろうなぁ。
戦闘は戦闘パートで分けられてるからだと思うけど鉄扇の捌きとかあたりで普通に気づきそうだなと思った。アトゥイ。
イタクとの一件でハクを好きになってたことに気づく。可愛い。強いだけじゃなく女の子らしいところもある。可愛い。
ルルティエの件
末娘だけあってというか、非常にオーゼンがメロメロしていたのがおもしろかった。シス姉ちゃんは、「可愛い子には旅をさせよ」てのをすごく言いたくなった。きっとあそこまでわがままを言ったことがなかったであろうルルティエが姉から離れていくのが、ココポの巣立ちのようにも見えてしまった。
ハクを好きだったっていうのをオシュトルに言うシーンがなかなかぐさっときた。あなたの目の前にいるのは彼自身でしたよ。…知らなかったにせよ後からものすごく照れてそう。
元に戻る気のないハクに「ハクさま」と呼び掛けるのはハクにとっても辛かったろうな。
ココポはやっぱりココポだった。ハクが大好き。
ノスリ&オウギの件
突っ走るとこは変わってない。それを優しく守る弟…オウギはつかみ所のない奴なのも変わってない。きっとオウギは一瞬で正体にに気づいていたと思う。それを言わないのも彼なりの優しさなんだろう。それを支えるのも。
御家再興、八柱将の位、なかなかに大切にしてほしい。
お父様に「オシュトルの血を我が血筋に」とか言われて超照れて意識しまくってたのが女の子っぽくて可愛かった。
ノスリはまっすぐなぶん、一度こうだと決めたら突き進むし、オシュトルがハクだとわかっても「それがなんだ」という感じだったのにはきっとハクも救われたのだろう。
オウギにはいつもひやひやさせられてたからふたりあわせるとちょうどいい感じ(?)
キウルの件
こいつだけはいつ気づいてたのか最後まで分からなかった。まぁでも稽古云々とかで薄々別人であることには気づいてたんじゃないかな。あとネコネの様子とか。
ハクだと知ったあとも「兄上」と慕う様に涙出た。
ネコネのこと…頑張れよ…
キウルはものすごく自己評価が低い。過小評価。もうちょい自信もってって思う。でもそれでも「兄上」の言葉で少しは気づいてくれたかな。それもあって、兄上を『兄上』とまたさらに慕うようになったのかな。
アンジュの件
立派にヤマトの帝になっていく様がとてもよかった。
でもやはり先の帝の前では一人の子どもだなとも。オシュトルに支えられ、ムネチカに支えられ、そしてミカヅチにも支えられ、この子はきっと立派になるだろうなぁ。
クオンと対決してさらに強くなっていくところがすごく細かく描かれていたのがいいなぁと思った。オシュトルがいなくなっても、きっとこれなら大丈夫だろうと思えるほどには。
ヤクトワルトとシノノンの件
シノノンがまさかそんな立場の子だったとはさすがに想定外だった。
あとヤクトワルトの剣の話。そのエヴェンクルガは…ゲンジマルだ…懐かしい名前を聞いた…。ただその刀、いつ譲り受けたんだろう?おそらく1作目からの時間経過が20年くらい、ヤクトワルトの年齢からしてもおそらく1作目前後での譲り受けなんだろうとは思うんだけど、作中でゲンジマルは死んでいるはずだからその前なのか…てことは1作目でゲンジマルが持ってた刀はなんだったのか…という疑問が残るところだった。
ムネチカの件
まず、よく生きてたなと思った。そう軽々しく死ぬはずはないと思ってたけど。
「仮面などなくとも、小生は八柱将なのだ」という台詞がすごく好き。仮面を取り戻したムネチカはもっと好き。かっこいい。アンジュには厳しいけど、「帝を亡くしたから」と少し歩み寄るあたりも好き。
フミルィルの件
発売前に見てまじか!!!!来るのか!!!!って思った。
この子は一作目でウルトリィが育ててた子だ…立派になって…(涙)
それはさておき超強いんですがこの方。どうすればいいの。
戦闘もなんだけど美女すぎてクオンが焦るのもわかる。これはやばい。
ムネチカを助けたあたりも、本当に助けようと思ってやったのか、そうじゃないのかなんとなく判断がつかない…つかみ所のない子。可愛いけど。
マロロの件
さいごまで不憫な奴だったなぁと。
エンナカムイでの一件でオシュトルが変わった、と言う。戦況がそうさせたのか『ハク』が滲み出ていたのかどちらなのかそれとも両者なのか。良くも悪くも人をちゃんと見ることができる人だったんだろうなと思う。それでもオシュトルの正体を見抜くことはできなかったけど。
ハクが死んだことを知らされ心が枯れ果てたところをウォシスに目をつけられ、意思を植え付けられ、オシュトルと敵対するように仕向けられた…本当に不憫だった。最後はなんとか正気に戻れて、本当の友が目の前に、いたことを知った。自分が何をしていたかはおぼろ気ながらには知っていて、夢のように…。
結局、オシュトルの代わりに、友の代わりに刃を受けて死んでしまった。友を守ることがきっと、マロロの本望だったのかなと。
ミカヅチの件
先の帝からの勅命をある意味愚直に遂行するために双璧と言われた片割れと対峙する。
オシュトルが本物でないこと、その中身が誰であるかを、オウギの次ぐらいに力を見ることで知ったのだと思う。正直こいつにばれないわけはないと思ってた。それでもその力を本物であると認め、帝都を守ることだけのためにオシュトルと対峙し、オンカミヤムカイの一件で気づいたら仲間になってた。この方も相当強かった。
なんで仲間になったのか?と考えていたけど、宿敵を他の誰かにいたぶられたくなかったのか。もしくはそれ(助けること)が帝の願いだったからか。
なんで仲間になったのか?と考えていたけど、宿敵を他の誰かにいたぶられたくなかったのか。もしくはそれ(助けること)が帝の願いだったからか。
結局はウォシスに利用されるだけされて捨てられた感じだったのが彼にとっては辛かったのかなぁ。兄者のことを信じている感じが弟っぽくて好きだった。
ライコウの件
ライコウも結局はウォシスに利用されただけだった。策士だった。
最後にはシチーリヤの裏切りも受ける。ただシチーリヤは後にすごくいい役をしてくれる。
策士としてはものすごい才能だしライコウに仮面を与えなかったのは正解だったなと思った。あの策に力が加わったらどうなるのかと恐ろしさしかない。
たぶんシチーリヤが裏切ることには薄々気づいていたのだと思う。仮面を持ってきたあたりとか。でもなぜ偽物を担ぎ上げたのかとか、そのあたりがはっきりさせられたことはいい流れだった。
与えられるものだけではいけない、自ら富を創造するべきだ、と、わりともっともなことを言ってたのには納得した。彼らしい理由だった。
八柱将が続くからトキフサの件
こいつほんとによく八柱将だったなっていう印象。それもすべて金印のお陰か。
トキフサはライコウに利用されるだけ…というかたぶん、排除するためにオシュトルに仕掛けようとしたのだろうなと。
こいつがエヴェンクルガっていうのは分かってたけど、もうちょっと忠義のあるものかと思っていた。想像以上にくそやろうだった。
最後は自分の命を捨てて金印を手に入れるという何とも情けない話。結果はどうであれライコウ側にもオシュトル側にも何らかの利をもたらした一件だったのかな。
デコポンポの件
ここまで猪突猛進という言葉が当てはまる奴を他に知らない。最後はライコウに利用されて死んだって感じ。ヤクトワルトにものすごい挑発されたりとか若干不憫だけど七光りのこいつにはこのくらいがちょうどいい。たぶん。
ここからたぶん長くなる。
エルルゥの件
クオンが薬師になったことからなんとなく分かっていたけど、クオンの「母親」の中では特別な存在。2作目では見る影もなかったから死んだのかと思う反面、ハクオロを遺して死ぬはずがないかとも思っていた。
まさかオンカミヤムカイの地下でその魂でハクオロを封印していたとは…。
オープニングムービーで最初に彼女の姿を見たとき、あの髪飾りがないことに気づいた。マスターキーの話が出たあたりから、1作目でのことを思い出し、たぶんあれがマスターキーなんだろうなと察した。
ハクオロの姿がなくても一心に仕えるのは、あの契約なのか、どうなのか…と思ったけど、たぶんそれは違う。作中でキーワードのひとつになるだろう『植え付けられた感情』はあっても、それだけではない何かがその場にエルルゥを留めさせているのだろうと。 彼女自身も「私の意思で」と言っていたけどその意思が作られたもの…なのか。
クオンを見る目は母親の目だったし、きっとずっと心配していたんだろうな…。「いってらっしゃい」というシーンがなかなか。クオンにはまだやり残したことがあるだろうし、話したいことはあるけどそれは後でもいいから今やることをやりなさいと、言外に伝えたのかな。
ウォシスの件
予想通り黒幕。
なぜマスターキーを手に入れようとしていたのかがいまいち判然としなかった。
自分が真人であることを証明したかったのか?支配者となりたかったのか(このあたりはライコウの意思とほぼ正反対にも思える)?自分が正当な、大いなる父の継承者であることを、証明したかったのか?自分が帝の子であること(現実は違ったけど)を、証明したかったのか?
ただ彼は真人ではなくただのクローンだった。誰のクローンか、というと、たぶんハクではないから、帝自身か。ただこいつの第一印象がハクにそっくりだなというところだったから、どこで生きているか…いや生きているかどうかもわからない弟を模して作ったとしても不思議はないか。
帝のクローンであるならあの知識量には納得がいく。
自身がクローンであることを知る。システムから管理者と認められずタタリは消せない。結果的にタタリは地下に抑えきれなくなり地上に溢れだし、アマテラスの力で焼き尽くす以外の方法がなくなる。
シチーリヤの裏切りは意外だった…というか、おそらくシチーリヤが一番ウォシスから離れている時間が長かったから、それ故に自分の感情が紛い物であることに気づいてしまったからこその、あの裏切りなのかなと思う。残り3人の冠童とは見た目もだけどなんとなく違う印象を受けたのもこれだったのかもしれない。
結果帝都は焼き払われ、目覚めたウォシスは仮面の力を借りてシェルターを作り出し人々に呼び掛けることでノロイに変える。このあたりからウォシスという存在は仮面に呑まれてなくなっていたのかなぁ。それとも人の欲に訴えることで全てを服従させようとした結果があれだったのか…。「皆に出会うことのなかった某だ」とハクが言っていたように、あれはハクの空蝉だったのだろうか。クオンの中のウイツァルネミテアのような存在。最終的にウォシスも消えてはしまったけどあまりにも代償が大きかったと…(後述)
帝とホノカの件
2作目崩御の知らせはあったけど、たぶんこの人たちは死んでないだろうなと思ってた。そんな簡単なことで、みたいな。ただ度重なるウォシスの行動を見ていると、そして帝をそのような状況に至らしめた経緯を見ていると、むしろよく死ななかったなと思った。命からがらとはまさにこの事か。
おそらくウォシスがあのとき(トゥスクル侵攻中に)動いたのは、その時が最も効果的に内部的な被害をもたらすことができる、から。士気が一番。ウォシスにとっては兵にしろ兵糧にしろ削れるものは削っておいたほうがよかった。だから追加の兵糧を送り届ける(ハクたちがトゥスクルに到着する)その末だけ待って帝を暗殺した。そしてトゥスクル侵攻での目的は遺跡だったわけで、その遺跡を自分がいずれ手に入れるため、ここで帝に取られるわけにはいかなかったのかなという推察。
おそらくだけど帝暗殺に関わったのはウォシスだけでライコウは関わっていない、と思う。あれほどの策士がウォシスの動きに気づいていなかったとは考えにくいけど、あれにライコウが関わったとなるともっと最適なタイミングで暗殺に走ると思う。いかにヤマトが強大な国だとはいえ、あれだけの侵攻をしていて、劣性だったし、後にもっと大きな戦が起きることなど予想できていただろうし、なによりライコウは兵なり兵糧なりは温存しておいたほうがいいという考えに至るだろうから。
帝が暗殺されること、アンジュを人形にすること(アンジュは帝都から逃れていたけど、これがなくてもおそらくはシチーリヤという身代わりを立てていただろう)、オシュトルを追い込むこと、あわよくばヴライと戦い共倒れしてもらうこと。おそらく全てウォシスの思惑通りといったところか。
過去に帝がまだ人類と過ごしていた頃の記憶の中で、そして紛い物でもいいからと自分を満たすために妻としてホノカを、子どもとしてアンジュを、弟としてウォシスを、そしてその他大勢の人々として亜人種を作り出す。帝自身は「あれは人ではない」と気づいていながらも、タタリとなった人類を取り戻すこともできないがためにその道を止められなかった。
そして、タタリ。帝はタタリがもう二度と人類に戻らないことは分かっていた。分かっていたけど、自分と同じ人類(だったもの)をこの世から消し去りたくないがために、タタリを消せずにいた。消さなかったがために、ウォシスに真実を知られてしまった。全ては、帝自身の責任…か。ウォシスを本当の子どものように可愛がっていたからこそ、その真実を伝えられなかったということが、全ての元凶だったのだろう。
ホノカは帝を愛すべき存在として創造された。その感情は、帝が言うとおり植え付けられたものだけど、長い長い時の中で、その感情もまた、エルルゥや冠童たちと同じく、本物になっていったのだろう。本当に時がない状況なのに他愛もない話ができる二人の姿に泣いた。
…なんとも切ないことか…
人類だったものと帝は本当の意味でいなくなり、ついにこの世界で大いなる父は、ハクだけになる(ウォシスはクローンであること、直後に仮面に呑まれたことからノーカウント)。
ウルゥル・サラァナの件
鎖の巫。出自は違うけどウルトリィとカミュのように「大封印」を行うことができる存在。アマテラス照射で帝都を離れたときに、遺跡でその役目を改めて知った。
「大神」…おそらくこれがハクのこと。ハクをウイツァルネミテアと同じく大神にすること。それが鎖の巫の役目。
だからあのラストのシーンで、ハクの姿が消え、二人は「ここに新たな大神が」と告げる。
そしておそらく二人は大神を封印し続けるのだと思う。エルルゥがそうしていたのと同じように。だからハクがクオンに会いに行ったあのとき、彼女たちはその側にいたのだろう。
カミュの件
ひとつだけ引っ掛かることがある。カミュが「お父様」と呼んだのは誰なのか。ディー…ではないはず。あれはムツミのお父様だから。ごめんなさい、と言っていることから、ハクオロかハクか、どちらかに向けられたものなのだとは思うけど、どちらかはわからない。
「大いなる父」という意味でハクをそう呼んだのか、というのが最初に思い付いたことだった。「ここに出てきてはいけない」ということはウイツァルネミテアに向けたものっていうのが自然な考え方かも知れないけど、大封印のとき、おそらくウイツァルネミテアの力はまだ残っていて、その名前だけがハクのものになっていた可能性が高い。では大封印は、その名前と力に向けたものだったのか…というのも不自然な気がするけどどうなんだろうか…。
オシュトルとハクの件
ハクの言葉を借りるなら「押し付けられた」。
だけど、オシュトルとして生きていくことを選んだのは彼の意思、か。
『幾多の時を、幾多の名で呼ばれ、うたわれてきた』
ハクとハクオロは重なるところがかなり多い。大神であることもその一つ。だからハクは、ハクオロになり変わってまた長い時を生きていくことになったのだから…。
かりそめの姿とかりそめの名前。ハクという名前そのものがかりそめの名前だけれど、それがオシュトルというもうひとつのかりそめの名で生きるのがこの3作目。
オシュトルらしく振る舞うほどに、"ハク"が消えていくことにはおそらくハク自身も気づいていただろう。それでも約束を果たすために自分を殺して生きる、か。ある意味でミカヅチが帝の勅命を守り続けるのと似ているかも。あの2作目の怠け者具合からは想像もつかない姿。まあ隙あらば怠けようとしてるのは変わってなかったけど。
ハクを殺して生きることを決めた以上、周囲にいつ気づかれるかとひやひやしていたのには間違いない。でもやはり、オシュトルであってオシュトルでなく、どこかでハクがいるから、次第に気づかれていくんだろう。
トリコリにはおそらくばれてるだろう、と思ったのが、アンジュの件。赤の他人の真実に気づくのに実の子でないものに気づかないはずが、ない。さすがにトリコリが「もう一人の息子」と言ってハクを抱き締めるあたりでだいぶ泣いた。おそらくこれが最初にばれたことがわかった時だから、ハク自身も相当動揺しただろうし、同時に息子に成り代わっていることに怒りもせずむしろ、これまでのハク自身の苦悩を知り慰めてくれたことが嬉しくも悲しかったのだろうと。ただ一人真実を知っていたネコネは、兄を亡くした悲しみでハクを慰めることなどできなかったから…
仮面はヒトのために作られたもの、ありえない力を持っているもの。根源への力を解放すればその身体は朽ちるしかなくなる。
それは分かっていた。おそらくハクは、そうして死ぬだろうと。
ただ私は心のどこかで、ハクは、亜人種でなくヒトだから、なにか例外的な何かがあるのではないか、とか、そんなことばかりを考えていた。でも仮面は本来人間のために作られたもの、最も効率的に力を引き出すもの、つまり最も魂を喰らいやすいもの、と考えると、あの力の解放回数で消えてしまったというのもなんとなく理解できるような気が。
結果ハクは、オシュトルと同じように消えてしまった。しかしなぜクオンを残したままにしたのか。フミルィルも言っていたけど、お互い何も伝えないままに、どうして、と。
もしウォシスとの戦闘で消えなかったとしても、彼が大神である以上、いつか彼は消えていただろう。帝のいう過去の「大きな代償」を考えると、ハクは、仮面の力を使わずにウォシスを止めるのは無理だっただろう。
けれど、クオンをのこしていかないでほしかった。いくら大神とはいえ、どこかから見ているとはいえ、肉体として存在していてほしかった。ウィツァルネミテアの天子と大神など結ばれるはずがない、そんなことはあってはならないとも思ってはいたけど。
ハクオロの仮面。エルルゥは「お守り」と言った。ハクオロ自身は、「それを受けとるということは全てを受け継ぐということだ。我が力を、名を、咎をも」と言った。オンカミヤムカイの地下で、ハクオロの仮面をハクが受け取ったとき、おそらくこれが『二人の白皇』の鍵になるものだろうと思った。さすがにハクがハクオロの身代わりになることは予想できなかったけど、この仮面がハクを復活させる、くらいの漠然としたものはあった。
ハクがその仮面をつけて復活した(ハクオロの役目を受け継いだ)のは、クオンを助けるためだった。内なる声に耳を傾けてしまったクオンを、助けるため。
あのままだとおそらくクオンはウイツァルネミテアと一緒に封印されるしかなくなっていた。だから自分が大神となることで、自分が封印されることで、クオンを救った…のかなぁ。
ただやはり彼にはクオンの側で、実体を持って生きていてほしかった…かなぁ。
クオンは最後に「やっと追い付いた」と言っていたから、おそらく彼は実体のない形でクオンの側で生きているのだと思う。めんどくさがりの癖に大神の名前を使って世界を春にするくらいのことはするんだから、クオンのためにもそのくらいやってやれむしろ。保護者には保護者孝行しなさい(怠け者が)。
後で用語解説を見返すと、クオンを助けたあと、その身体はもう存在しえないものだから姿を消した、みたいなことが書いてあった。
クオンの件
冒頭。クオンが『クオン』であることを捨て生きることを決めるシーン。
ハクが『ハク』であることを捨てることと印象が重なった。本当の自分を捨ててかりそめの姿で生きるって感じが。ただクオンは、それを決意させたベナウィたちの手で結局、友達の元に『クオン』として返されるけど。
おそらく死んだと思っていたハクが生きていたことがクオンの決意を揺らしたっていうのもあるだろう。
「ハクを助けたから」といってその事を悔いてはいたけど、ハクがいなければクオンには仲間なんてできなかっただろうし、ずっと皇女として生きてきたものが恋を知ることも、おそらくはなかっただろう。良くも悪くも、ハクはクオンに助けられるべき存在だったのだろう。
そしてなにより、ハクを助けたから、ハクオロはああしてクオンの元に戻ることができた。クオンの母親の中でも重要な立ち位置のエルルゥと、また過ごすことができた。そう考えると悪いことではないしむしろクオンにとってはいいことばかりだった。ただひとつハクがいなくなったことを除いては。
マシロ様の噂話はいい話だな、と思った。ただ、ハクがウイツァルネミテアの名と力を引き継いだのだとしたら、世界に春を与えたその代償はなんだったのだろう、と。想像の域は出ないけど、ライコウが言っていた進化を考えられなくした、とか、少しは考えたけどここは結局判然とせず。
マシロ様の噂話はいい話だな、と思った。ただ、ハクがウイツァルネミテアの名と力を引き継いだのだとしたら、世界に春を与えたその代償はなんだったのだろう、と。想像の域は出ないけど、ライコウが言っていた進化を考えられなくした、とか、少しは考えたけどここは結局判然とせず。
ハクオロとエルルゥの件
エルルゥの中の植え付けられた感情は、おそらくやはり本物に変わっていたのだろう。2作目で全く名前が出てこなかったことに疑問は持ってたけど、まさかクオンのために魂を楔にウィツァルネミテアを封印していたとは思わなかった。生きててよかった。
そしてハクオロの顔を、仮面を外した顔を初めて見て思った。ハクにそっくりだ…。肉体がハクのものなんてことはないだろうからハクオロ自身だとは思うけど、まじでそっくりだ…。これだったらクオンもハクオロの中にハクの姿を見ることもあるかもなぁ。同じ『うたわれるもの』だからっていう考え方もできるのだろうか。
まさに『二人の白皇』だったということか。
|ホーム|